歴詩

2025-09-04

死んだら星になって見守ってくれる

会えないけれど、いることが救いになる

図書館の棚の上から下まで星の本が並んでいて、まるで会えたように嬉しくて震える

星の死と誕生を知る

空室の星から埋まっていくのなら

遠くの星になってしまったら見えるのかな

あまり宇宙が大きいと書かないで

光はそんなに速くないから

それに一晩でガス雲から生まれる星の数は死ぬ数に足りるのかな

金魚やカブトムシ、うさぎは星にならないの?

悲しくなって涙ぐんでしまったけれど、ビッグバンや重力やブラックホールってすごいな

知らなかったけれどずっとあったのか。今も(今も)

知る喜びは悲しみを少し遠くに置いてくれる

ゼウスはカストルやポルックス、カリストを星にしているけれど

星にならないんだろうな

でも星になると思える物語の面白さ

星の棚を読み終えて図書館を散策

『二十億光年の孤独』

二十億光年

孤独

タイトルにひかれて読む

物語ではなく

死と同じ音

同じ行を繰り返し読む

一日何度も読む

読んでも読んでもまた読みたい

読むだけではなく書いてみる

書くことで会いに行ける

悲しみを遠ざけることができ

悲しみに近づくこともできる

悲しみでふざけてみたり

それでセックスしたり

腕を切り

足を捨て

目玉を潰し

車にひかれた猫を拾う