素敵と素味方

手足 666 メートルの僕が去っていく

車にひかれた猫を拾ったように見えたけど、

あんなに大きいと車にひかれた猫の全部を拾えたかな

地面に張り付いていたり、ちぎれた小さな肉片とかさ

その懸念を僕たちに伝え、僕がかがんだ横のビルを目印に 69 人で目指す

折れた樹木や潰された車などからここで間違えない

僕たちは横一列になって見落とさないようにゆっくり地面を探す

見つからない

血を流さない車にひかれた猫もいるし

一匹まるまるきれいに拾えたのかもしれない

666 人いればもっと徹底的に探せたのにな

横の僕が車にひかれた猫を拾う天使たちに悪魔の証明は解けないよねと聞こえるような独り言

あの動作は車にひかれた猫を拾うのではなく、お金を拾う行動かもしれないし

僕が僕を眺めていることに気づいたので、車にひかれた猫を拾うふりをして僕をからかったのかも!

憶測で憤慨するのはキチガイになる兆候なので僕に切り倒された樹木の断面を眺めて木の匂いを嗅いで落ち着く

ただ僕のことを僕たちが嘘つきだと思って責めている感じがぬぐえない

僕たちが各自車にひかれた猫を拾いに去っていく

僕も車にひかれた猫を探しに、僕たちがいかない方向へ行こうと思ったけれど 69 人もいればそんな方向はない

666 メートルの僕を追ってみようかな

歩幅の違いから永遠に追いつかないかな

素敵な場所を見つけて滞在していれば追いつけるかも

しかも素敵な場所で