僕を取り囲む私を観察した不定期日記で自分は誰?


エッシャー

右肩が腐り落ちたので昨日病院へ行きました。しけた人たちがたくさん窓口に並んでいました。ついでに車にひかれた猫も診てもらおうと僕も猫を抱いてその列に並びました。

離れて見ると僕もそのしけた人たちの中の一人でした。

ところで質問。僕を観ている僕は誰?


ボックスティッシュ

右肩の断面から膿が出るので病院の帰りにボックスティッシュを買いに行きました。オナニーのためにティッシュを買うのではないです、とレジの人に告げるのを忘れていました。僕が慌てて「オナニー…」と言った所でレジの人が

「この398円のクリネッシュでいいですか?298円のネピアがありますよ。」
「え、あ、それにします。」
「表に出ているのでどうぞ。」

ということなので表に出てみました。えーと。どこだろう。

しまった!「オナニー」と言ってその後何も言っていない。あれじゃただ単にオナニーとか言っているキチガイ親父じゃないか。僕は急いで表に出ていた特売ボックスティッシュを取ってレジに戻りました。オナニー発言の意味を伝えるために。

さっきのレジの人の所には人が並んでいたので別のレジで清算しました。さっきのレジの人にもオナニーのためにティッシュを買うのではないことを告げた方がいいか悩みました。ただそれを告げるためにレジに行くのはなんだか変です。

僕は鞄に入れた車にひかれた猫を取り出してさっきのレジの人の足元にそっと投げました。

ビチャッ

猫の汁が出ました。

「あ、ごめんなさい。鞄から猫が落ちてしまいました。」

とレジの人に近付いてついでにオナニーのためにティッシュを買ったのではないことを無事伝えることができました。床の猫汁もちゃんと拭きましたよ。


ダリ

土の中に僕の体を埋めて右腕が生えてくるのを待った。昔埋めた車にひかれた猫の骨が背中や足にゴツゴツとあたって痛い。小さな小さな無数の虫がまわりを歩き回っている。いつまでたっても腕の芽が出てこない。

「水をやらないと駄目だよ。」

見上げると僕がじょうろを持って立っていた。

ところで質問。土の中にいる僕は誰?そして水をあげている僕は誰?


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