僕を取り囲む私を観察した不定期日記で自分は誰?


さようならさようなら

テストがあった。朝からあった。さよならさよなら。

センセー「自分を説明してくれる?」

僕は札幌で生まれて引越しして公田小学校へ通って引越しして小、中、高と進んで今経営情報を習っていてそれからーえーとえーと親から生まれました。でもこれでは僕を表さない。自分はえーとえーと、最近メールで尋ねたら「こういうことを言うのが■■だよ」と言われたからこういうこと言うから■■なんだと言ってみた。センセーはふむふむと言っている。まだ満足しないの?えーとえーと自分の性格分析をある人の性格だと言って出したメールのことを言ったみた。それが僕の性格。ああ、でもこれは僕の性格であって自分じゃないの?センセーなら自分をどう説明するの?質問するのはセンセーで答えるのは僕なんだね。僕が考えないといけないんだね。一年間考える暇があったけれど僕には分からなかったよ。

顔が赤くなっているだろうな。僕の耳に遠くで話す僕の声が聴こえる。僕が一昨日観たマニアックコップ2の話をしている。そんな僕の声を聴きながら僕は『カッコウはコンピュータに卵を産む』でクリフォードが空の青さについてしどろもどろに答える場面が思い出される。今の僕だ。僕は次に雪が積もって自転車に乗れないからコンビニに行けないから困っていることを話している。何を話ているんだ僕は。ああ、さようならさようなら。僕はこのテストにパスできない。このテストが駄目ならメールを出せないしインターネットで日記も書けないし家にいる車にひかれた猫はどうすればいいというんだ。悲しくて涙がでた。泣いては駄目だ。さらに立場が悪くなる。感情を出しては駄目だ。

僕の声を聴いてみた。ああ、何を考えているんだ、僕は。口から出る黄色いくさい卵の話をしている。一体僕は何を言っているんだ。センセーの質問はなんだっけ。ああ、思い出せない。思い出そうとすると今朝積もった雪に埋まった車にひかれた猫が思い出された。積もった雪に穴が空いていた。だから僕はなんだろうと思って中を覗いたら車にひかれた猫がつき刺さっていた。なんか漫画みたい。どうやら僕はくすくす笑っているみたいだ。ああ!!センセーが僕に見せないように持っている紙に何か書いている。もう駄目だ。

確かにセンセーの目にはどんどん違う話をしだして、おまけに一人笑いしている僕しか映っていない。でも、これには理由があるんだ。こういうこと頭の中で考えているからこうなってしまったんだ。この理由を言えばいいんだ。いや、これはマイナスなのか?それともプラスなのか?どうなんだろう?え!!答えろ!!何だ貴様!!コソコソ書きやがって!!おいっ、僕をまたどうするつもりだ!!やめろやめろやめろやめろやめろ。二人の男が入ってくる。やめろやめろやめろやめろ。センセーは大丈夫だよと言っている。やめろやめろやめろ。みくびるな。センセーの目玉に指突っ込んで金玉蹴って倒れたら腹を連続踏みつけてそれでお前なんか殺せるんだ。ああ、ああ、ああ、もう駄目だ駄目だ駄目だ。さようならさようならさようなら。


明るい自分計画

愚痴をぐちぐち言うのはやめる。きっとテストは駄目だった。まあいい。よくないけど…。ああ、暗いね。僕。明るくいこうぜ。

うっきーっ!マンモスラッピーして、いるいる?のりピーも紅白出場だって。そりゃいいや。ぎゃはははは。のりのり。こら、カツオ宿題したの?ワカメのぱんちら、うっふーん。ありそで、うっふーん、なさそで、あっはーん。だっだーん、ぼよよんぼよよん。君の~ゆく~道は~、あ、暗い歌だね、そんなのやめやめ。そんでもって車にひかれた猫拾ったはいいけど白い雪に排泄された汚物はじわじわと周りに黄色いシミを広げているわけ。あれってやっぱり尿なわけ?そういえば『金曜日』って「きにょうび」って打ち込んで『気尿日』とか変換しない?え、辞書登録しろって?こりゃまたしっつれいしました。ごめんくさーい、三平で~す。まるこめまるこめ、まるこーめ、みっそ!!オゥレイッ!!

そういえば僕が子供の頃の『よいこ』か『めばえ』かなんかに『おねしょをしないおまじない』とかいうのがあってそれにドラえもんが登場しているわけ。それでそれが傑作で寝る前にトイレに行って手を洗う時に

「ドラドラドラ」

と唱えればいいとか書いてあるわけ。イイーーッ!!最高だよ。僕ちんピュアだから実践していたよんさんにーいち、

ドッカーーン!!

今のは北朝鮮のミサイルがゴー!!ゴー!!した音なんだけど、実はこの『ドッカーーン』、三宅裕司のドカンクイズにも使える優れモノ。僕なら車にひかれた猫の効果音にも使うかな。君ならどう使う?こて、めーーーん!!一本!!ちゃちゃちゃ、大日本!!あ、今のはバレーで使う呪文に『大』を使ってみました。アジア諸国と戦う時に国民感情を害していいかもね。従軍慰安婦問題しっかり取り組め、日本。えへ、こうやって僕、まじめぶったら豚によく似てる、3年前から死んでいた。


忘れない

部屋に散らばる車にひかれた猫たち。静かで暗くて寒い部屋。もう、この猫たちと会えないかもしれないから猫たちの肉をほんのちょびっとずつ僕の体に取り込もう。

乾いた肉や、まだぶよついた肉に爪をたてて飲み込んでいく。ああ、爪を切っておけばよかった。爪の間にはさまったこの肉はさっきの猫か今の猫か分からない。食べ残しはいやだからな。あれ、あの猫の肉取り込んだっけか?一応取り込んでおこう。でも、もし、この猫の肉をすでに取り込んでいたらこの猫だけ2回取り込んだことになる。他の猫に不公平だ。どうしよう。綺麗に並べてから取り込んでいけばよかった。

そうだ。サイコロ振って出た目を食べていくことにしよう。これなら恨みっこなし。1が出たら一口、というようにね。

半分くらい食べたろうか。腐乱した車にひかれた猫の番になった。これはコンビニ横のヒーター側にいたから雪で冷凍されることなく腐敗していた猫だ。

6が出た。

6回ちぎって飲み込む。胃液が喉にこみあげてくる。う、おえ、吐き気がする。ぐ、吐く。トイレに間に合わなかった。トイレのドアの所でげぼっと吐き出す。ゲロを手ですくった。暖かい。指の隙間からぬるぬるとすべり落ちていく。うふ、小さな小さなこの肉片は君たちのだよ。この部屋ともお別れかもしれないからゲロに入った部屋のホコリも一緒に飲み込むことにした。

こんな物理的なことをしないまでも君たちのことは絶対忘れないよ。でも、どうしようもなく切ないから何かしないと気が済まないんだよ。


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