春に花

2024-02-29

お寿司屋さんは遅い時間になると、いいネタがなくなるけど値下がりしないよね

スーパーは半額とかになるけど

それでもお寿司屋さんのほうが美味しいよね

でもなんだか遅い時間にお寿司屋さんには行きたくないんだ

みたいな共感も解決策ももらえない話を一人でしていた

車にひかれた猫には聞かせたくないから

嫌われたくないもの

僕に話すこともなくなり無言で歩いていたら程なくして車にひかれた猫を拾う

閉店間際の花屋さんがあった

花も値下がりするんだね

この黄色い花はすっかりしょげている

スーパーでもお寿司屋さんでもお寿司を食べないなら花を買おう

猫ちゃんへのお花ですか?と聞かれる

これで猫ちゃん(僕がいうと可愛くない)への花じゃなかったらどう思うんだろうな

お荷物じゃなければこちらのお花もよろしければどうぞとのことなので

車にひかれた猫が埋もれるくらいの花束を抱えて帰る

元気のない花たちだけど

それでも甘くなんていい香りなんだろう

鼻や喉や肺まで蜜につかる

毎日花を買うのいいな、お金の問題がなければ

たまにふわっと濃く香るのも素敵

同じ花粉でもスギ花粉はニンゲンに害するから嫌われる

スギの花粉はニンゲン以外からは無罪か

そうなると僕はインターネッツでは浅ましくあざとく詩的なことを書いたりするけど

実際の僕は邪悪で攻撃的で変態で怠惰で愚鈍で邪悪で邪悪(つらいから弱めに書いているのもせこい)

だから嫌われるべくして嫌われる

花の美しさがつらくなってきた

しかも根元から切断され僕に買われて

買春じゃん!