今度は車にひかれた猫のいる部屋に入れられた。
車にひかれた猫のいない部屋と同じく何もない 9x6m の白い部屋。
車にひかれた猫がいると言われたけど何もない。
でも車にひかれた猫がいたらかわいそうだから探す。
(うーん。かわいそうとは違うんだけど、よい言葉が浮かばない)
自分はトイレしないから何もない部屋でいいんだよね。
もしこの部屋にいろいろあったらどうなんだろう。
例えばイノシシやシカ、クマの死体とか。
車にひかれた猫がぐっといそうだ。
毛や骨が車にひかれた猫のものかもしれないし。
でもそれが自分には車にひかれた猫か分からない。
かといって車にひかれた猫じゃないものを車にひかれた猫とするわけにいかない。
車にひかれた猫の可能性があるからぞんざいにできないし、ぜんざいは食べたいし、昔昔亭桃太郎の「ぜんざい公社」は聞きたいし。
なのでオガサワラシジミ、スムース・ハンドフィッシュ、シャンハイハナスッポン、シマハヤブサ、キタシロサイ、タイワンウンピョウ、ミヤココキクガシラコウモリ、ピンタゾウガメ、ワキアカカイツブリ、クリスマスアブラコウモリ、テイオウキツツキ、オレンジヒキガエル、カモノハシガエル、ミナミトミヨの死体をかき分けドアノブを回し、扉を開ける。
ガチャ。
ガチャガチャ。
この流れで外に出られるかと思ったけどロックされたままだった。