車にひかれた猫のいない部屋

車にひかれた猫のいない部屋に入れられた。

何もない真っ白な 6x9m くらいの部屋。

もう何日も車にひかれた猫のいない部屋で車にひかれた猫を探している。

だって車にひかれた猫がいたらかわいそうでしょう?

もう何百日も車にひかれた猫に会っていないと抱きしめたくなる。

自由に外を歩き回れた頃、家の近くに茶色いからっぽの植木鉢があって、それをよく丸まった猫と見間違えていた。

今はその植木鉢が見たいくらいに車にひかれた猫が恋しい。

部屋を歩き疲れて白い壁を見つめ Percival Lowell を想う。

私財を投げ売ってローウェル天文台を作った彼。ここからすべての光が地球から逃げるような赤方偏移を見つけ膨張宇宙論につながった。

救急車とか近づく音と遠ざかる音に高低があるドップラー効果は音は波だから。

光も涙から波だから遠ざかる光は赤くなる。

夜空は真っ赤なので宇宙は膨張している。

Percival Lowell は計算から Planet X と予想して死んだ後に見つかった冥王星は Pluto なのは Percival Lowell の PL って本当?

それはさておき Percival といえば火星の運河だよね。

火星の運河を望遠鏡で見られる時代、彼だけが火星の運河に住人や文明の発展が見え毎夜記録していた。

真っ白な部屋は車にひかれた猫の血で真っ赤になり内臓が波のように壁を伝う誰かの叫び声は頭を振るとドップラー。

叫び続けて疲れて眠い目でどろりと流れる赤い壁を眺めれば車にひかれた猫たちが楽しそうに跳ねたり幸せそうに眠っている。

日記を書かないと。日記を書かないと。