話死

僕はタクアンや花札や地下鉄の話をしているのに

相手は残虐な殺し方や腐敗による悪臭や虫の動く足のような気味の悪い話を聞くような強張った白い顔をしている。

目の周りと目玉に走る血管と唇だけがやたら赤いよ。

もしかしたら僕は星の話をしているつもりでも本当は糞祭の話をしているのかもしれない。

僕が言いたいことは脳でそう思っているだけのことかもしれないし、

相手に届く空気の振動は嫌がらせで変更されているかもしれない。

レコーダーがあれば録音して確かめられるのに。

だからきっと話してはいけないのだと思う。

たまに話せば口が動かずどもるし何を言えばいいのか分からないから訳のわからないことを話してしてしまうし。

車にひかれた猫には流暢に饒舌にいつまでも話せるのに。

でもそれはいつも自分納得話だ…。

目を閉じて耳を塞げばきっと話せるだろうけれど。

でも相手が少しでも動けばお終い。

そんなの五感がなくても気配で分かるよ!

片手とか片足の話じゃないよ!!