数えていないからだから部屋には車にひかれた猫が 666 飛んで 3 飛んで 69 飛んで 13 匹いるよ。
でもミルクがお皿一杯分しかない。
だから海に行って
「おーい」
と叫んで海坊主から底の抜けたひしゃくを借りたよ。
そのひしゃくでミルクをすくって車にひかれた猫にあげるの。
みんな口の周りの毛にミルクの水滴をつけて満足げ。
ひしゃくを返しに行ったんだけど海坊主が現れない。
砂浜に寝そべっている人がじろじろ僕のことを見るし僕はもう帰りたいのに。
だからひしゃくを海に放ったんだけど波がゆっくりと戻してくる。
何度も足元の波に僕に返すんじゃなくて海坊主に返してよと頼む。
波は分かったというけれど新しい波が次々と来て僕を焦らせるだけ。
早く返そうと思って早く来ちゃったけれど誰もいない夜に来ればよかった。